『若木仇名草』「部屋(お宮口説)」 通称:蘭蝶作詞・作曲:初世鶴賀若狭掾(1717-1786) 市川屋 蘭蝶(らんちょう)という浮世声色身振師(男芸者)が、榊屋の此糸(このいと)と馴染みを重ね、女房のお宮が体を売って工面したお金まで此糸に費やしてしまう。…
『和泉式部集』176番 身にしみて あはれなるかな いかなりし 秋吹く風を よそに聞きけむ 『続後撰和歌集』恋四、『万代集』秋上に採録。 詞書: ものいみじう思ふ頃、風のいみじう吹くに (ひどく思い悩む頃、風が激しく吹くので) 秋: 「飽き」との掛詞 (し…
『和泉式部集』40番 朝風に 今日おどろきて 数ふれば 一夜のほどに 秋は来にけり (あさかぜにけふおどろきてかぞふればいちやのほどにあきはきにけり) 朝の風の涼しさにはっとして今日、日付を数えてみたところ、一夜のうちに急に秋が来たんだなぁ。 かつて…
『和泉式部集』23番 庭のまま ゆるゆる生ふる 夏草を 分けてばかりに 来む人もがな (にはのままゆるゆるおふるなつくさをわけてばかりにこむひともがな) 庭のかたちのままに生え広がる夏草。それをかき分けるようにして会いに来るような人がいたらなぁ。 …
2017年の三月大歌舞伎 昼の部、坂東巳之助さんらの「どんつく」を観に行くので、その前にちょっと下調べをしたことのメモ。 初演は弘化3年1月(1846年)、江戸市村座。 もともと日本橋を背景にしていたが、現在では、亀戸天神を舞台にするようになった。 同…
三人形(みつにんぎょう) 世界大百科事典 第2版 歌舞伎舞踊の曲名。常磐津。三変化所作事《其姿花図絵(そのすがたはなのうつしえ)》の一曲。1818年(文政1)3月江戸中村座初演。作詞2世桜田治助,作曲岸沢右和佐。振付初世藤間勘十郎。演者は3世坂東三津五…
毎年作るようにしている、センター試験 国語の現代語訳(速報版)を今年も作りました。受験生、同日センター企画に参加した高校1・2年生の方などにお役立ていただけければ、と思っております。 goo.gl goo.gl ※同業者の方、ぜひ、直した方が良いところなど、ご…
東海地方出身なのですが、今回初めて、博物館明治村に行きました! www.meijimura.com 博物館明治村は、国の重要文化財12点を含め、貴重な建物が全国各地から移築されたテーマパークです。 明治時代の文明開化の香りが感じられる洋風建築もあれば、森鷗外・…
印象に残っている歌舞伎観劇10選。 1月:大阪松竹座(全体) 今年の観劇はじめでした。印象的だったのが、この座組のリーダー・片岡愛之助さんの魅力。朝からほぼ出ずっぱりでしたが、どの演目でも伸び伸びと演じられていて、実に輝いていらっしゃいまし…
THE YELLOW MONKEY SUPER メカラウロコ・27 日本武道館 セットリスト 1.MORALITY SLAVE2.DRASTIC HOLIDAY3.FAIRY LAND~電気じかけのナルシス4.SECOND CRY5.FINE FINE FINE6.VERMILION HANDS7.聖なる海とサンシャイン8.Four Seasons9.SHOCK HEARTS10.RED LIG…
今日、こんなものが届きました。 中村屋 門出二人桃太郎記念 限定酒です。来年(2017年)2月、歌舞伎座の二月大歌舞伎で、中村勘太郎(波野七緒八)くん、中村長三郎(波野哲之)くんが初舞台をつとめることを記念したお酒ですネ。 www.kabuki-bito.jp こち…
長唄「岸の柳」 明治6(1873)年 作詞 柳屋梅彦 作曲 三代目 杵屋正次郎 【本調子】 筑波根(筑波嶺)の姿涼しき夏衣若葉にかへし唄女が緑の髪に風薫る柳の眉のながし目に その浅妻をもやひ船君に近江(掛詞:逢ふ身)と聞くさへ嬉ししめて音締めの三味線も 誰…
タイトルの通りです。 一通り読んだ後、生徒達に感想を書いてもらおうことにしたのですが、あまり字数を多くすると、そのマス目を埋める方法論のほうに意識が向きそうな気がしたんです。 作文術を見たいというよりは、イマの高校生の率直で素朴な感想を聞い…
あらすじ 北条時政は坂本城攻めを開始した。一方、時政の娘・時姫は、坂本方の若武者の三浦之助義村と許嫁であって、絹川村で暮らす三浦の老母・長門をかいがいしく世話している。早くも嫁としての意識を強く持ち、時政からの使者が迎えに来ても戻らない。 …
あらすじ 松永大膳久秀は足利将軍に謀反を企て、将軍の母・慶寿院を金閣寺の二階に幽閉している。その天井に竜を描く話を口実とし、大膳は、雪舟の孫・雪姫をくどく。竜を描くか、自分の愛人になるか、と迫るが、雪姫にはすでに狩野之助直信という夫がある。…
あらすじ 武田信玄・上杉謙信は厳しく対立していたが、両家ともに、将軍・足利義晴暗殺の嫌疑をかけられる。そこで、三年間休戦して「真犯人を探し出せなかったら、子供の首を差し出す」とまで宣言する。しかし、真犯人は見付からず、武田勝頼・長尾景勝に切…
「カラーバス(color bath)効果」というものを皆さんはご存知だろうか。 「今日は赤を意識しよう」などと決めて一日を過ごすと、色が切り口になって、日ごろ注意していなかったものが、次々と目に飛び込んでくる現象のことだ。 隣家のガーデニングのすばら…
上方のをんな: 女方の歌舞伎譚 作者: 片岡秀太郎 出版社/メーカー: アールズ出版 発売日: 2011/12/03 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (2件) を見る 関西歌舞伎の低迷期の苦労話(今の片岡仁左衛門さんと、「歌舞伎がやりたい」と泣い…
本日は、【歌舞伎音楽家達による「四谷怪談」】という企画にお邪魔してきました。 四谷怪談のお岩さんの人間ドラマの部分(死んで幽霊になる前の部分)を、ググッと1時間ほどにまとめての上演。 三味線は杵屋五七郎さん、唄は和歌山富朗さん。ベテランのおふ…
尾上右近さんの勉強会「研の會」、初日を観に行きました。 「仮名手本忠臣蔵」の五段目・六段目を見るのは、尾上松也さんが勘平に挑戦した新春浅草歌舞伎(2015年)以来。 あのとき、斧定九郎を見て、坂東巳之助さんに一目惚れしたのでした。なんと、今…
尾上右近さんの勉強会「研の會」を観に行きます♪仮名手本忠臣蔵の五段目・六段目に挑戦されるということで、手元にあった古典文学全集の浄瑠璃集を読み返しておりました。(歌舞伎と浄瑠璃では多少(?)、違ってはいるのですが……)浄瑠璃集 新編日本古典文学全…
端唄「香(か)に迷う~御所車(ごしょぐるま)~」 香に迷う 梅が軒端に匂い鳥花に逢瀬を待つ年(とせ)の明けて嬉しき懸想文(けそうぶみ)開く初音のはずかしくまだ解けかぬる薄氷雪に想いを深草の百夜も通う恋の闇君が情けを仮寝の床の枕片敷く夜もすが…
2016年7月、歌舞伎座 昼の部のメインは、浪人から老中、大老格にまでのぼりつめた、出世の鬼 柳沢吉保を描く「柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)」。ミーハーな感想としては、様々なこしらえ、役回りの尾上右近さんを観られたのが嬉しゅうございました…
松竹大歌舞伎 巡業 中央コースの2日目、府中の森芸術劇場(東京都)にお邪魔してきました。まずは、国立劇場歌舞伎鑑賞教室で磨き抜かれた中村萬太郎さんの流暢な「歌舞伎のみかた」。今回は、坂東亀寿さんも加わってますますパワーアップ。鳴り物の実演中…
松竹大歌舞伎の染五郎さん 東コースの初日(江戸川区総合文化センター)に参りました。冒頭は、定式幕の前で、染五郎さんお一人でのスーツでのご挨拶。麺屋一燈のつけ麺についてなど、巡業公演らしくご当地ネタを盛り込みつつ、歌舞伎の歴史や演目の内容など…
端唄「鶴亀」 庭の砂(いさご)は金銀の玉を連ねて敷妙(しきたえ)の五百重(いおえ)の錦や瑠璃の扉(とぼそ) 硨磲(しゃこ)の行桁(ゆきげた)瑪瑙(めのう)の橋池の汀(みぎは)の鶴亀は 蓬莱山も余所(よそ)ならず君の恵みぞ ありがたき 山河草木(…
端唄「春雨」 春雨に しっぽり濡るる鶯の羽風に匂う 梅が香や花に戯れ しおらしや小鳥でさえも 一と筋に寝ぐら定めぬ 気は一つ わたしゃ鶯 主は梅やがて身まま気ままになるならばサァ 鶯宿梅じゃないかいな サァーサ なんでもよいわいな ※『はうた俗曲集 一…
端唄「梅にも春」 梅にも春の色そえて若水汲みか 車井戸音もせわしき 鳥追いや朝日にしげき 人影を若しやと思う 恋の欲遠音(とおね)神楽や数とりの待つ辻占(つじうら)や鼠鳴き 逢うてうれしき 酒(ささ)機嫌こい茶が出来たら上がりゃんせ(ササもっとい…
6月の初日(6/2)は、中村梅枝さん見たさに国立劇場に行きました〜。 今月は歌舞伎鑑賞教室。中高生たちの文化教室に使われる企画ですが、席が空いていれば、一般の方も入れます。 11:00〜13:10(14:30〜16:40)と、コンパクトな公演。何と、お求めやすいお席は1…
東京国立近代美術館で開催されていた(〜2016/5/15)、安田靫彦展にお邪魔してきました。安田靫彦展ミーハーでお恥ずかしいのですが、日曜美術館 - NHKの「安田靫彦 澄み切った古を今に刻む」を拝見したのが、展覧会を見に行くキッカケです。90代まで描き続け…