現代語訳
『若木仇名草』「部屋(お宮口説)」 通称:蘭蝶作詞・作曲:初世鶴賀若狭掾(1717-1786) 市川屋 蘭蝶(らんちょう)という浮世声色身振師(男芸者)が、榊屋の此糸(このいと)と馴染みを重ね、女房のお宮が体を売って工面したお金まで此糸に費やしてしまう。…
長唄「岸の柳」 明治6(1873)年 作詞 柳屋梅彦 作曲 三代目 杵屋正次郎 【本調子】 筑波根(筑波嶺)の姿涼しき夏衣若葉にかへし唄女が緑の髪に風薫る柳の眉のながし目に その浅妻をもやひ船君に近江(掛詞:逢ふ身)と聞くさへ嬉ししめて音締めの三味線も 誰…
端唄「鶴亀」 庭の砂(いさご)は金銀の玉を連ねて敷妙(しきたえ)の五百重(いおえ)の錦や瑠璃の扉(とぼそ) 硨磲(しゃこ)の行桁(ゆきげた)瑪瑙(めのう)の橋池の汀(みぎは)の鶴亀は 蓬莱山も余所(よそ)ならず君の恵みぞ ありがたき 山河草木(…
端唄「春雨」 春雨に しっぽり濡るる鶯の羽風に匂う 梅が香や花に戯れ しおらしや小鳥でさえも 一と筋に寝ぐら定めぬ 気は一つ わたしゃ鶯 主は梅やがて身まま気ままになるならばサァ 鶯宿梅じゃないかいな サァーサ なんでもよいわいな ※『はうた俗曲集 一…
端唄「梅にも春」 梅にも春の色そえて若水汲みか 車井戸音もせわしき 鳥追いや朝日にしげき 人影を若しやと思う 恋の欲遠音(とおね)神楽や数とりの待つ辻占(つじうら)や鼠鳴き 逢うてうれしき 酒(ささ)機嫌こい茶が出来たら上がりゃんせ(ササもっとい…