2015.7.31「引窓」「口上」「連獅子」(松竹大歌舞伎 巡業東コース 中村鴈治郎襲名披露)の中村壱太郎さん、中村虎之介さん
7月31日(金)@北とぴあの「松竹大歌舞伎(巡業 東コース)」を観てきました。「中村翫雀改め 四代目 中村鴈治郎襲名披露」の公演なのですが、中村壱太郎さんと中村虎之介さんばかり見つめてしまいました。
双蝶々曲輪日記 「引窓(ひきまど)」
女房お早 … 中村 壱太郎
母お幸 … 中村 鴈乃助
三原伝造 … 中村 亀 鶴
平岡丹平 … 坂東 亀 寿
濡髪長五郎 … 尾上 松 緑
このお早をつとめた壱太郎さんが本当に素敵でした。祖父の坂田藤十郎さんからアドバイスを受けたと言う、冒頭が特に素晴らしかった……。すすきと団子を持って、暖簾をくぐるあの一瞬の艶やかさ。
女方としてつとめた口上の際も、お辞儀の仕草ひとつひとつから匂い立つような色香。若さによる花と、技芸による花とが合わさっての奇跡的な美しさに立ち会えるのは、本当に幸せなことです。
「連獅子(れんじし)」
狂言師右近後に親獅子の精 … 中村 扇 雀
狂言師左近後に仔獅子の精 … 中村 虎之介
僧蓮念 … 中村 亀 鶴
僧遍念 … 坂東 亀 寿
そして、中村扇雀さんの息子さんである中村虎之介さん。昨年、国立劇場の「歌舞伎の見かた」で、アイドル的な愛嬌を振りまいていた姿が印象的でしたが、この日の彼は、それとは全く違う、凛とした顔をしていました。覚悟の決まった顔。
本当に幸せでした
この4日間は僕の人生において最も濃い時間でした
色々悩みました
しかし歌舞伎役者になってよかったです
— 中村 虎之介 (@starfishtora18) 2015, 7月 31
舞台に立てる事がどれだけ幸せなことか
それが僕を舞台に立たせる理由でした
自分が最も大切にしているのは自分自身でなく舞台でした
— 中村 虎之介 (@starfishtora18) 2015, 7月 31
「連獅子」を見て、震えるような感動を覚えたのは初めてでしたが、その背景には、扇雀さんと虎之介さんの親子の間での、ドラマがあるのかもしれません。
RT 一昨日、鎌倉で観た虎之介くんの連獅子。実は何度か鳥肌が立った。勢いと若さにあふれ、それでいて背筋がきちんと伸びた丁寧な獅子。今日のツイートを見て、私に深い印象を与えたのはもしかして、この真っ直ぐな想いだったかと思わされた。その瞬間に立ち会えたとすれば、本当にうれしい。
— mami (@mamirop) 2015, 7月 31
とのご感想も見かけて思わず、お気に入りに。
あと、坂東亀寿さんの僧 偏念もとても好きでした。やっぱり狂言は面白いね。
本日は市川海老蔵さん、中村獅童さん出演「六本木歌舞伎」初日です。12時と16時30分からの2回公演、当日券は若干数のみございます。昼夜の部とも10時からの発売となります。お越しいただいた時点で完売の場合もございますのでご了承下さい。
皆様のご来場をお待ちしております。
— 中日劇場 (@chunichitheatre) 2015, 8月 2
そして、7月31日(金)に、竹田出雲ら作の「引窓」のお早をつとめていた中村壱太郎さんが早くも、今日、「六本木歌舞伎 地球投五郎宇宙荒事」に出演しているというのだから、歌舞伎界のハードスケジュールよ……。本日夜の部、3日とあけずに壱太郎さんを拝見できる幸せを噛みしめてまいります。