赤坂大歌舞伎(中村勘九郎・中村七之助 兄弟の『操り三番叟』『お染の七役』熱演) 感想
開催が発表されて以来、ずっと楽しみにしていた「赤坂大歌舞伎」。千穐楽も近付く、23日(水)昼の部を観て参りました。
前日には偶然、11年前の『演劇界』別冊の若手花形歌舞伎特集を入手。勘九郎(当時は勘太郎)さんの記事を読み、テンションを上げて臨みます。
中村勘九郎(当時は勘太郎)さんの解説「何があっても揺るがない、この真摯さと謙虚さこそが、勘太郎の誇るべき美点であり、最大の強みなのではないだろうか」に頷く。明日は赤坂大歌舞伎へ♪ >> 若手花形歌舞伎花之巻(演劇界8月臨時増刊号) http://t.co/wgdiNA1IoM
まずは、「操り三番叟」。
「操り三番叟」楽しい! 坂東新悟さんの上品さが千歳にぴったり。そして、あの人形振りは中村勘九郎さんの生来の愛嬌がよく生きるねぇ。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
前半は、坂東彌十郎さん・坂東新悟さん親子による、松羽目物(能由来の作品)らしい、格式高い舞。新悟さんが舞台に登場した瞬間、「あら、綺麗」という声が周囲から聞こえました。新悟さんは、お父さん譲りの背の高さもあり、女方をつとめるには苦労もあるかと思いますが、私は、彼の、何とも言えない上品な雰囲気が大好きなので、これからもどんどん拝見したいところです。
「操り三番叟」ということで、勘九郎さんの踊りは、人間の動きではなく、操り人形の動き。紐が繋がったか確認するときの動き、紐が絡まってしまったときの動きなど、面白いところがたくさんあります。表情は変わらないのに、勘九郎さんの持つ愛嬌がそこはかとなく感じられ、人形らしい愛らしさを見たように思います。
勘九郎さんが踊るのに合わせて足拍子を踏んだり、絡まった糸をほどいたりする後見役は、中村国生さんなのですが、舞台は本当に息がぴったりだっただけに……
「操り三番叟」は、勘九郎さんと、後見役の中村国生さんとが、息合った踊りにたどり着くまでのメイキング映像をぜひ見たい(笑)
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
なんて思ってしまうのです(笑)
そして、「お染の七役(正式には「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」)。
文章で読んだら、複雑怪奇に入り組んでいるお話が、お芝居として見ると、すっと呑み込める。あるいは、筋なんて置き去りにしたって、見ているだけで、とても楽しい。……そんな、お江戸の歌舞伎らしいエンターテインメントが『お染の七役』だと思いました(^^)
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
「お染の七役」の大詰めの立回り、好きだー! 立回りなのに、艶やかという言葉がぴったり。「なかむらや」傘、くるくるくるー\(^o^)/
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
久太が去り際に言う、今月の赤坂大歌舞伎 役者名を散りばめたあの長ゼリフの原稿が見たい。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
中村国生さん、シュッとして、清潔感あふれる凛々しい青年になっていらっしゃったなぁ。お父様ゆずりの時代物の似合うお顔立ち。最近は、たくさんお芝居に出ていらっしゃるし、これから楽しみだなー。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
この前『ウチくる!?』で、市川猿之助さんが「歌舞伎のカラクリは、種を知ったところで、それで感動しなくなるものではない」という趣旨のお話をされていたのですが、まさにそのことを実感する機会となったのが、この「お染の七役」でした。
タイトル通り、中村七之助さんが七役早替わりで出てくるのですが、その早替わりの速いこと速いこと!
ついさっき右に退場したかと思ったら、もう左から別のこしらえで出てくるのです! 声色も、仕草も、キャラクターに合わせて目まぐるしく変わります。
「最後の傘の中のシーン、一体どうやっているのかな!?」
「あの中ならどの役が好き?」
なんて、終演後の会話も弾むこと間違いなしの楽しいお話でした。
私が、学校の文化教室担当だったら、こんな歌舞伎に連れて行きたい。「伝統芸能の重み」を感じてもらうより、単純に「面白くない!?」「格好良くない!?」と一緒に盛り上がれる作品に連れて行った方が、観劇人口増えると思う。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23
「お染の七役」も面白いねぇ。七月には阿弖流為を演って、八月納涼歌舞伎も演って、九月にこの赤坂大歌舞伎を演って、また十月は阿弖流為と11月まで続く平成中村座……そのどれもがこの満足度なのだから、中村勘九郎・七之助兄弟は恐ろしい。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) 2015, 9月 23