錦秋名古屋顔見世@日本特殊陶業市民会館 中村吉右衛門さんらが「俊寛」「松浦の太鼓」ほか
天気のよい、名古屋は日本特殊陶業市民会館。歌舞伎の千穐楽に来た客層と、スフィアのライブに来た客層のかぶらなさ!笑 pic.twitter.com/MSFpULZmxU
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
「顔見世」(と銘打つとき、一般的な上演よりも豪華な顔ぶれでお送りするのが慣例)というには、少し役者さんが少ないようにも感じたのですが、その分、中村歌六さん・中村錦之助さん・中村又五郎さん・中村芝雀さんが、何役も何役も演じられての大活躍。一つ一つが素敵なお芝居で、「いいもの見たなぁ」と思って帰ることができる興行でした。
「あんまと泥棒」、明治座(中車さん、猿之助さん)で観たときから好きなお話だったので、また観られて嬉しい。先日の「伽羅先代萩」の八汐といい、今回のあんまといい、私は、中村歌六さんのお芝居がとても好きだ。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
この1年は、中村隼人さんの爆発を見届けた1年間だったわけですが、あわせて、隼人さんのお父さま 錦之助さんを様々な役で拝見することのできた一年でもありました。錦秋名古屋は、錦之助さんと芝雀さん・又五郎さんが八面六臂の大活躍。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
「藤娘」、上演回数の多い演目だけど、生できちんと見るのは初めてだった。松の根のところで、形を決めるところの絵面が素敵だったよ。私に絵が描けたらなぁー。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
お米の会(歌六さんや米吉さんの後援会)に入るほど、中村米吉さんが大好きなので、彼の出番が昼の部「松浦の太鼓」だけだったのは、少し残念でしたが……
「松浦の太鼓」の紅一点、お縫の中村米吉さんは安定の可愛らしさ。「妹」というポジションが何て似合うのかしら。いつか、「藤娘」や「俊寛」の千鳥を、米吉さんで見たいものです。
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
俊寛のような都人にとって絶海の孤島に取り残されるのは死を意味します。生の可能性を象徴するのが赦免船で、それが次第に遠ざかっていきます。例え自分から望んだことであっても人間ですから、悔いは残ると思うんですよね。
悔いをはじめは「動」で表現する。それが「静」にいたって、最後は石になるイメージなのだといいます。
「俊寛」のラストシーンは、あんな風に表現されるのですね。役者、義太夫、大道具の全てが噛み合い、見事に作り出される情景に息を呑みました。2階席だったので、あまりにかかり過ぎる大向こうに、ちょっと興ざめしてしまったけれども……(^^;;
— 吉田裕子(国語講師) (@infinity0105) October 25, 2015
大向こうが過剰だったことはともかく、「俊寛」に関しては、二階席から見たほうが良いかもしれない、と感じました。その方が、舞台一面が海になって、俊寛が取り残されているさまが視覚的に実感できます。あの絵面は忘れることができません。