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懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

161「立ちのぼる煙につけて思ふかないつまた我を人のかく見む」(和泉式部集)

和泉式部集』161番

また、人の葬送するを見て

「立ちのぼる煙につけて思ふかないつまた我を人のかく見む」

(たちのぼるけぶりにつけておもふかないつまたわれをひとのかくみむ)

 

  • ~につけて ― ~があると、それに関連して
  • 煙 ― 火葬の煙のことと思われる。後の時代の和歌であるが、「あはれ君いかなる野辺のけぶりにてむなしき空の雲となりけむ」(辨乳、新古今和歌集「哀傷」(821番))など

 

立ちのぼる煙を見ているとつい考えてしまいますわ。今日はわたくしが人の死を見送っていますけど、いつ私が死んで、こうして見送られることになるかしら、と。