懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

152「偲ぶべき人もなき身はあるうちにあはれあはれと言ひや置かまし」(和泉式部集)

和泉式部集』152番

世の中はかなかきこと聞きて
偲ぶべき人もなき身はあるうちにあはれあはれと言ひや置かまし


(しのぶべきひともなきみはあるうちにあはれあはれといひやおかまし)


死んだって、偲んでくれそうな人もいないわたくしですから、生きているうちに自分で「ああ、ああ」と言っておこうかしらね。