2「春日野は雪ふりつむと見しかども生ひたるものは若菜なりけり」(和泉式部集)
『和泉式部集』2番
春日野は雪ふりつむと見しかども生ひたるものは若菜なりけり
(かすがのはゆきふりつむとみしかどもおひたるものはわかななりけり)
春日野と言えばずっと雪が降り積もる地だとばかり思っていましたが、あら今、一面に生えているのは若葉ではありませんか。
雪の白とは対照的な、若菜の優しい緑が、春の到来を柔らかく、しかし、鮮明に印象付ける、みずみずしい歌。春日野の地名も、春を感じさせて心地良い。