懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

端唄

端唄「鶴亀」歌詞と現代語訳

端唄「鶴亀」 庭の砂(いさご)は金銀の玉を連ねて敷妙(しきたえ)の五百重(いおえ)の錦や瑠璃の扉(とぼそ) 硨磲(しゃこ)の行桁(ゆきげた)瑪瑙(めのう)の橋池の汀(みぎは)の鶴亀は 蓬莱山も余所(よそ)ならず君の恵みぞ ありがたき 山河草木(…

端唄「春雨」歌詞と現代語訳

端唄「春雨」 春雨に しっぽり濡るる鶯の羽風に匂う 梅が香や花に戯れ しおらしや小鳥でさえも 一と筋に寝ぐら定めぬ 気は一つ わたしゃ鶯 主は梅やがて身まま気ままになるならばサァ 鶯宿梅じゃないかいな サァーサ なんでもよいわいな ※『はうた俗曲集 一…

端唄「梅にも春」(歌詞と現代語訳)

端唄「梅にも春」 梅にも春の色そえて若水汲みか 車井戸音もせわしき 鳥追いや朝日にしげき 人影を若しやと思う 恋の欲遠音(とおね)神楽や数とりの待つ辻占(つじうら)や鼠鳴き 逢うてうれしき 酒(ささ)機嫌こい茶が出来たら上がりゃんせ(ササもっとい…