懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

尾上右近さんの女形の美しさよ! 歌舞伎座 七月大歌舞伎 昼の部

2016年7月、歌舞伎座 昼の部のメインは、浪人から老中、大老格にまでのぼりつめた、出世の鬼 柳沢吉保を描く「柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)」。


ミーハーな感想としては、様々なこしらえ、役回りの尾上右近さんを観られたのが嬉しゅうございました。操り人形のように生きながらも、吉保(というか弥太郎)を愛し続けてしまう、尾上右近さんの耐える女ぶりがたまりません。そして、中村東蔵さんの桂昌院が好きです(笑)

演技どうこうとは別に、ストーリーやちょっとしたセリフが、この後も折にふれ思い出されそうな感じがする。

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そして舞踊の「流星」。

先月、狐忠信をつとめていたときの四代目 猿之助さんも人間離れしていましたが、今日、流星をのびのびと舞う猿之助さんも人間離れしていましたねぇ。

そして、尾上右近さんの色気はどこまで行ってしまうのか。昼の部、『柳影澤蛍火』も良かったのですが、『流星』の織女のムンムンする色気! 全然違うけれど、ワンピース歌舞伎のサディちゃんを思い出さずにはいられませんでした……!


また、坂東巳之助さんが『流星』の牽牛で、イケメン枠で出演していらっしゃるのが何だか新鮮でございました。

京都南座で、みっくんの「流星」を観たのですが、またそちらも観たいですね!