仮名手本忠臣蔵 六段目、勘平の最期に直面した、お軽の母の嘆き
尾上右近さんの勉強会「研の會」を観に行きます♪
- 作者: 鳥越文蔵,大橋正叔,林久美子,長友千代治,黒石陽子,井上勝志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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歌舞伎だと、勘平の潔い最期で幕が引かれますが、浄瑠璃にある、その後のお軽の母の嘆くシーンがあまりにいたましく、印象に残ったので、現代仮名遣いに改めた上で打ち込んでみました。
「ヤアもう婿殿は死なしゃったか。さてもさても、世の中におれがような因果な者がまたとあろうか。親仁殿は死なしゃる。頼みに思う婿を先立て。いとし、かわいの娘には、生き別れ。年寄ったこの母が、一人残ってこれがマァ。なんと生きていらりょうぞ。コレ親仁殿与市兵衛殿、おれも一所に連れて行て下され」
と、取りついては泣き叫び、また立ち上がって、
「コレ婿殿、母もともに」
と縋りついては伏し沈み、あちらでは泣き、こちらでは泣き、わっとばかりにどうど伏し、声をはかりに嘆きしは、目も当てられぬ次第なり。