懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

2017-01-01から1年間の記事一覧

176「身にしみてあはれなるかないかなりし秋吹く風をよそに聞きけむ」(和泉式部集)

『和泉式部集』176番 身にしみて あはれなるかな いかなりし 秋吹く風を よそに聞きけむ 『続後撰和歌集』恋四、『万代集』秋上に採録。 詞書: ものいみじう思ふ頃、風のいみじう吹くに (ひどく思い悩む頃、風が激しく吹くので) 秋: 「飽き」との掛詞 (し…

40「朝風に今日おどろきて数ふれば一夜のほどに秋は来にけり」(和泉式部集)

『和泉式部集』40番 朝風に 今日おどろきて 数ふれば 一夜のほどに 秋は来にけり (あさかぜにけふおどろきてかぞふればいちやのほどにあきはきにけり) 朝の風の涼しさにはっとして今日、日付を数えてみたところ、一夜のうちに急に秋が来たんだなぁ。 かつて…

23「庭のままゆるゆる生ふる夏草を分けてばかりに来む人もがな」(和泉式部集)

『和泉式部集』23番 庭のまま ゆるゆる生ふる 夏草を 分けてばかりに 来む人もがな (にはのままゆるゆるおふるなつくさをわけてばかりにこむひともがな) 庭のかたちのままに生え広がる夏草。それをかき分けるようにして会いに来るような人がいたらなぁ。 …

どんつくに関する覚え書き、歌詞(神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり))

2017年の三月大歌舞伎 昼の部、坂東巳之助さんらの「どんつく」を観に行くので、その前にちょっと下調べをしたことのメモ。 初演は弘化3年1月(1846年)、江戸市村座。 もともと日本橋を背景にしていたが、現在では、亀戸天神を舞台にするようになった。 同…

三人形(歌舞伎舞踊、常磐津)の歌詞

三人形(みつにんぎょう) 世界大百科事典 第2版 歌舞伎舞踊の曲名。常磐津。三変化所作事《其姿花図絵(そのすがたはなのうつしえ)》の一曲。1818年(文政1)3月江戸中村座初演。作詞2世桜田治助,作曲岸沢右和佐。振付初世藤間勘十郎。演者は3世坂東三津五…

センター試験 国語 2017年の古文・漢文の現代語訳を作りました(仕事ブログへのリンク)

毎年作るようにしている、センター試験 国語の現代語訳(速報版)を今年も作りました。受験生、同日センター企画に参加した高校1・2年生の方などにお役立ていただけければ、と思っております。 goo.gl goo.gl ※同業者の方、ぜひ、直した方が良いところなど、ご…

博物館明治村の感想・写真など(愛知県犬山市)

東海地方出身なのですが、今回初めて、博物館明治村に行きました! www.meijimura.com 博物館明治村は、国の重要文化財12点を含め、貴重な建物が全国各地から移築されたテーマパークです。 明治時代の文明開化の香りが感じられる洋風建築もあれば、森鷗外・…