懸想文

国語講師 吉田裕子のエッセイ、歌舞伎観劇メモ、古典作品や長唄・端唄の現代語訳など

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年の舞台(歌舞伎・狂言)で印象に残ったもの 10選

2015年は、本当に、舞台(主に歌舞伎)をよく観に行きました。どれだけ観に行ったのか、数えるのが恐ろしいくらい……(とはいえ、歌舞伎がお好きな方の中にはもっともっと行っていらっしゃる方も多いかと思いますが。) 歌舞伎座や新橋演舞場などの公演に加え…

2015年、特に素敵だと思った本・音楽

◆2015年に特に素敵だと思った本 何かしらの機会があって人に教えた作品が印象に残っています。 例えば、学校で、高2現代文を担当しておりました。その授業の中で読んだ『こころ』『「である」ことと「する」こと』などは何度も読み込みましたが、そのたびに…

2015年に好きになった和歌・短歌・俳句・自由律俳句

今年知ったり、今年その魅力を再発見したりした詩歌たち。 2015年は、カルチャースクールなどで歌集を講義する機会が多く、たくさん好きな作品に出会いました。たくさん紹介したいところなのですが、残念ながら、手もとに古典文学全集がなく……。twitterや手…

吉井武道館 2015セットリスト(吉井和哉 @日本武道館「Beginning & The End」2015.12.28 セトリ)

吉井和哉の年末恒例 日本武道館公演に行ってまいりましたので、備忘録がてらにセットリストを投稿しておきます。 ◆◆吉井武道館 本編◆◆ 恋の花 PHOENIX I WANT YOU I NEED YOU (MC) 欲望 SIDE BY SIDE CALL ME (MC) BLOWN UP CHILDREN 朝日楼 シュレッダー TA…

12/20(日)-12/26(土)の1週間で読んだ本

高校生のとき読んでいた参考書を読み返して驚いたのが、13年も経った今も、よく、読んだときの感覚を覚えているということ。あのころに繰り返して読んだものは、「覚えよう!」「覚えなくては!」という意識とは別に、頭と心に染み込んでいるのだなぁ、と。…

俊寛(歌舞伎 近松門左衛門『平家女護島』より) 見どころ、あらすじなど

「平家女護島」の二段目「俊寛」は、鹿ケ谷での平家打倒の企てが露見し、鬼界ヶ島に流された流人たちを描いた作品です。三人の流人の内、俊寛一人が島に残される、その悲劇が作品の主眼です。『平家物語』や能の「俊寛」をもとに書かれた、近松門左衛門によ…

12/13(日)-12/19(土)の1週間で読んだ本

学校の授業で読んだ『こころ』。その後日談を書いてみたいなぁと思い立ち、改めて『こころ』を読み返しておりました。 (書き上がりましたので、来年の文学フリマに持って行こうかと思っております^^) 教えるという機会を持つことで、ひとつの作品とじっ…

12/6(日)-12/12(土)の1週間で読んだ本

吉祥寺 古典を読む会の準備に追われた一週間。 メンバーの一人に、古典和歌に造詣が深い方がいらっしゃるので、「その方の前で不用意なことは言えない」だとか、「その方にも一つでも新鮮な発見があったと思ってもらいたい」だとかいう思いがあって、必死に…

11/29(日)-12/5(土)の1週間に読んだ本

今週は、充実した雑誌や図録、筋書きに胸をときめかせた1週間でした。『家庭画報』や『婦人画報』『和楽』『演劇界』の新年号のおめでたさ。 講談社野間記念館の図録に、講談社創業者の野間さんの、以下の言葉が載っておりました。 雑誌の本領は、雑なるにあ…

八代目中村芝翫 襲名披露(現:中村橋之助)記者会見の文字起こし(衛星劇場放送内容の全文)

中村橋之助さんが2016年10月、八代目中村芝翫を襲名されるということで、9月28日、コートヤード・マリオット銀座東武ホテルで記者会見が開かれました。 www.kabuki-bito.jp その模様は各媒体の記事で紹介されましたが、その映像(挨拶を全部、質疑応答1つ)…

11/22(日)-11/28(土)の1週間に読んだ本

文学フリマに向けて自作短歌を整理したり、とある公募に向けて文章をまとめたり、新古今和歌集と格闘したりしていた一週間でした。井上ひさしさんの遺志を継ぎ、山田洋次さんが書き、森本千絵さんが描いた絵本。20日発売のこの本、読みたいと思っていたら、…

11/15(日)-11/21(土)の1週間で読んだ本

本を読むと、手帳にメモを取ることが多いのですが、今週はたまたまその写真を上げている本がふたつ。字が汚くてお恥ずかしい限りですが(^^;; SWITCHでの対談が面白かった山極寿一先生の本。「勉強法」という書名には違和感。「生き方」の本として読む分には…

11/8(日)-11/14(土)の1週間で読んだ本

8日の日曜日、平泉(岩手県)に旅行に出かけました。あいにくの雨でしたが、貴重なものをたくさん見ることができました! その興奮さめやらず購入した図録が、今週の読書始めです。 また、今週は主宰勉強会「吉祥寺 古典を読む会」がありました。テーマは「…

11/1(日)-11/7(土)の1週間で読んだ本

学校の授業で『こころ』(夏目漱石)を扱うため、『こころ』関係の本をたくさん読んでいます。教えるとき、授業というはっきりした〆切がある分、集中的にいろいろ読むことができるので、楽しいですね♪ いろいろな解釈のできる『こころ』。授業が終わるころま…

10/25(日)-10/31(土)の1週間で読んだ本

塾の授業がお休みになる週だったので、たくさん本が読めたら良いなぁーと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、お芝居ばかり見ていて普段よりも読んでいないという体たらくでした!「昼の部」「夜の部」と数えずに、作品ごとに数えれば、週に14本も見た訳…

いとしの儚(劇団扉座)@座・高円寺を観てきました!

8月の『新・水滸伝』や10月の『ONE PIECE』、横内謙介さんが脚本を書いたスーパー歌舞伎・スーパー歌舞伎Ⅱを立て続けに見て魅了された私は、横内さんが主宰し、脚本・演出をつとめる劇団扉座の公演も観に行くことにしました。劇団扉座公式サイト~厚木市・市…

NHK古典芸能鑑賞会(第42回 歌舞伎「身替座禅」)の感想

NHK主催の古典芸能鑑賞会、歌舞伎「身替座禅」(尾上菊五郎さん主演)を拝見してまいりました。 イベント詳細・申込(第42回 NHK古典芸能鑑賞会) | イベント・インフォメーション | NHK(日本放送協会) このイベント、安い席は1,000円~。このお値段で…

錦秋名古屋顔見世@日本特殊陶業市民会館 中村吉右衛門さんらが「俊寛」「松浦の太鼓」ほか

「錦秋名古屋顔見世」の千穐楽にお邪魔してまいりました。 今回1番のお目当ては、吉右衛門さんの「俊寛」でした。本公演だけで10回以上演じていらっしゃる当たり役ですが、東京で今後、演じてくださるかどうかは未知数。「見逃すわけにはいかない!」と、…

10/18(日)-10/24(土)の1週間に読んだ本

独立したブログ記事も書きましたが、猿之助さんの写真集が印象に残っています。来週は塾がお休みなので、たくさん読めたら良いなぁ……(^^)写真集『四代目 市川猿之助』 感想など - ヨシダユウコの覚え書き3,780円ということで一瞬躊躇したけれど、「現代版役…

写真集『四代目 市川猿之助』 感想など

ワンピース歌舞伎など、乗りに乗っている四代目 市川猿之助さん。この10月、豪華な写真集が発売されました!四代目 市川猿之助作者: 長塚誠志出版社/メーカー: パイインターナショナル発売日: 2015/10/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブロ…

10/11(日)-10/18(土)の1週間に読んだ本

ヤフオクで、古い歌舞伎の筋書を集めるのにハマっております。今週は、手もとに届いた戦前の筋書を読むのが楽しくて仕方ありませんでした~♪ 昭和6年七月興行 東京劇場の筋書を手に入れました。義経千本桜、色彩間苅間、一本刀土俵入、かっぽれ、と今日もよ…

【ネタばれ】ワンピース歌舞伎(スーパー歌舞伎Ⅱ『ONE PIECE』) サンジ・ボンクレーが評判 主演:市川猿之助さん

ワンピース歌舞伎、行ってまいりました!! onepiece-kabuki.com 様々な挑戦を重ねるスーパー歌舞伎・スーパー歌舞伎Ⅱの中でも、今回の「ONE PIECE」は、大胆な挑戦の作品だと思うのです。 何と言っても、累計発行部数3億部を超える、少年マンガの中で最も人…

10/4(日)-10/10(土)の1週間で読んだ本

カルチャースクールや講演の準備として読んだ古典文学の本、そして、趣味の歌舞伎の本の1週間でした。 届いたよ。最近とても中村扇雀さんが好きなので、インタビューが嬉しい。「虎之介は、十七歳の自分にできる最高の仔獅子を一所懸命目指している感じがし…

『源氏物語』五十四巻の一行要約 あらすじを把握したい方のために

『源氏物語』54帖を概観できるよう、各帖のあらすじを1行でまとめました。 桐壺 光源氏の誕生。母・桐壺更衣は帝のの他のきさき達からの嫉妬で病死。 帚木 光源氏17歳。ライバル頭中将らと恋愛談義。中流の人妻・空蝉との恋。 空蝉 空蝉宅に忍び込む光源氏だ…

坂東玉三郎さんが評判の「阿古屋」、十月の歌舞伎座 夜の部(芸術祭十月大歌舞伎)

歌舞伎座 2015年10月「松竹創業百二十周年 芸術祭十月大歌舞伎」夜の部を観てまいりましたので、簡単に感想などを。 芸術祭十月大歌舞伎 | 歌舞伎美人(かぶきびと) 今月の夜の部は「阿古屋」と「髪結新三」ですが、何と言っても、坂東玉三郎さんが艶やかな傾…

9/27(日)-10/3(土)の1週間で読んだ本

院試に、「興味を持っている作品について、その理由と、作品に関し勉強してきた内容と、これから研究していく方向性について1000〜1200字で書く」という出題があることが分かっていた(数年間ずっと同じ問題だった)ので、『義経千本桜』について書くことに…

9/20(日)-9/26(土)の1週間で読んだ本

『今昔物語集』を取り上げる「吉祥寺 古典を読む会」に関連して、芥川龍之介の短編をいろいろと読んだ一週間でした。(あれこれ読んでいますが、全て足しても、たいしたページ数ではありません(笑))11月の「吉祥寺 古典を読む会」『俊寛』でも、参考作品とし…

歌舞伎座 九月大歌舞伎 昼の部(秀山祭「双蝶々曲輪日記」序幕、「紅葉狩」、「競伊勢物語」)

『伽羅先代萩』@秀山祭九月大歌舞伎(歌舞伎座 夜の部)の感想 ~めいぼくせんだいはぎ~ - ヨシダユウコの覚え書き夜の部(↑)に続いて、歌舞伎座 昼の部にも行ってまいりました。見終わっての第一声は「つ、つかれた……」。キリのお芝居、『競伊勢物語(だてく…

赤坂大歌舞伎(中村勘九郎・中村七之助 兄弟の『操り三番叟』『お染の七役』熱演) 感想

開催が発表されて以来、ずっと楽しみにしていた「赤坂大歌舞伎」。千穐楽も近付く、23日(水)昼の部を観て参りました。前日には偶然、11年前の『演劇界』別冊の若手花形歌舞伎特集を入手。勘九郎(当時は勘太郎)さんの記事を読み、テンションを上げて臨みます…

9/13(日)-9/20(土)の1週間で読んだ本

今週は何と言っても、つんく♂さんの自叙伝・闘病記である『だから、生きる。』を読んだことが忘れられない。今週ちょうど、インタビュー番組も放送されていたけれど、仮定法的な問いかけを断ち、「生きる」という覚悟を決めたつんく♂さんの姿。 自著を発見し…