2016-01-01から1年間の記事一覧
『和泉式部集』162番 歎くことありと聞きて、人の「いかなることぞ」と問ひたるに ともかくも言はばなべてになりぬべし音に泣きてこそ見せまほしけれ (ともかくもいはばなべてになりぬべしねになきてこそみせまほしけれ) なべてに ― 平凡に、普通に ぬべし…
『和泉式部集』161番 また、人の葬送するを見て 「立ちのぼる煙につけて思ふかないつまた我を人のかく見む」 (たちのぼるけぶりにつけておもふかないつまたわれをひとのかくみむ) ~につけて ― ~があると、それに関連して 煙 ― 火葬の煙のことと思われる…
尾上菊五郎さんの羽柴秀吉(藤吉郎)、中村梅玉さんの織田信長、中村吉右衛門さんの明智光秀など、豪華な顔合わせで、秀吉の出世物語を描く『新書太閤記』(歌舞伎座の二月大歌舞伎、昼の部)を見てまいりました。 「秀吉の出世物語の良いとこ取りで、劇的な…
『和泉式部集』78番 「かづけどもみるめは風もたまらねば寒きにわぶる冬のあま人」 (かづけどもみるめはかぜもたまらねばさむきにわぶるふゆのあまびと) かづくー「潜く」(海にもぐる)と「被く」(褒美などとして物をいただく)の掛詞 みるめー「海松布…
『和泉式部集』77番「せこが来て臥ししかたはら寒き夜はわが手枕を我ぞして寝る」(せこがきてふししかたはらさむきよはわがたまくらをわれぞしてぬる)あの人が来て、泊まっているというのに、寒々しい思いをさせられる夜には、自分の腕を枕にして眠るので…
大阪松竹座は、昼の部も夜の部も出し物がバラエティに富んでいて、飽きずに見ることのできる楽しい時間でした。夜の部は「桂川連理柵 帯屋」「研辰の討たれ」「芝浜革財布」。 「桂川連理柵 帯屋」は、こちらのインタビューで壱太郎さんがおっしゃっているよ…
2016年の初芝居は、大阪松竹座にいたしました。 www.kabuki-bito.jp 三重の実家から駆け付けたので、鏡開きには間に合わなかったのですが、初日記念のステッカーをいただいたり、艶やかなお着物のお客様の多い中で過ごしたりすることで、お正月芝居の華やか…
『和泉式部集』76番 「下もゆる雪まの草のめづらしくわが思ふ人にあひみてしがな」 (したもゆるゆきまのくさのめづらしくわがおもふひとにあひみてしがな) 掛詞:芽―めづらしく 序詞:「下もゆる雪まの草の」が「めづらしく」を引き出している 雪の下に生…